「あと3ヶ月しかない…。もう無理かもしれない。」
中小企業診断士1次試験を控えた社会人受験生の中には、そんな焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身も、受験日が近づくにつれて不安な気持ちが高まっていきました。
しかし、過去問に徹底的に集中する勉強法を取ることで、短期間でも着実に得点力を上げ、逆転合格を果たすことができました。
本記事では、私が3ヶ月前から実践した勉強法、過去問の回し方、そして効率化に役立ったツール(スタディングやChatGPT)まで、実体験ベースで紹介します。
限られた時間の中で“合格に直結することだけ”に集中したい方は、ぜひ参考にしてください。
■ 基本戦略:過去問をとにかくぶん回す
私が実践したのは、7科目×5年分の過去問を3回回すという方法です。
1時間 × 7科目 × 5年分 × 3回 = 合計105時間
1日3時間の学習時間が確保できれば、約1か月で過去問を3周できる計算になります。
ポイントは、ある程度のインプットができたならテキストを読む作業は一旦ストップすること。
基本的には過去問をひたすら解くことに注力し、間違えた問題に繰り返し取り組むことが最優先です。逆に、正答率の低いマニアックな問題や、重要度の低い論点は思い切って捨てます。
■ なぜ過去問重視が効果的なのか?
中小企業診断士1次試験では、似たような問題が毎年のように繰り返し出題されるのが特徴です。
特に「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」などは、過去問と酷似した問題が高頻度で登場します。つまり、やり込めばやり込むほど「見たことある」「これと同じパターン」と感じられ、本番で得点源になります。
その上で、過去問演習には以下の5つのメリットがあります。
① 出題パターンと頻出テーマを効率的に把握できる
→ 解くことで出題傾向や選択肢の作り方が見えるようになり、本番に直結する“試験慣れ”ができます。
② インプットとアウトプットを同時に行える
→ テキストは「読むだけ」ですが、過去問は「思い出す」作業を伴うため、記憶の定着率が格段に上がります。
③ 時間配分や読解力が鍛えられる
→ 時間制限のある試験において、スピードと正確性の両立は重要。演習を重ねるほど、実践感覚が磨かれます。
④ 「どこまで理解すれば正解できるか」が体感できる
→ 得点に直結する「必要十分な理解」のラインが見えるため、無駄な深掘りを避けて効率的に勉強できます。
⑤ 合格点(60点)を意識した戦略的学習ができる
→ 満点を目指すのではなく、合格ラインを安定して超えるための戦略が自然に身につきます。
■ 中小企業診断士1次試験は「繰り返し出題される」試験
中小企業診断士1次試験では、似たような問題が毎年のように繰り返し出題されます。これは都市伝説ではなく、実際に過去問を分析してみると明らかです。
たとえば、企業経営理論で頻出の「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」に関しては、次のような出題がありました。
- 令和6年度 第4問:売上・市場シェアからPPMの象限と方針を考えさせる問題
- 令和4年度 第2問:「花形」「金のなる木」などの概念説明と戦略の理解を問う問題
📌 共通点:事業ごとの位置づけと、投資判断に関する理解が問われており、アプローチは違っても本質は同じです。
また、「ファイブフォース分析」も代表的なリピート論点です。
- 令和6年度 第7問:代替品の脅威に関する記述問題
- 令和5年度 第3問:既存企業間の競争に関する業界比較問題
- 令和4年度 第3問(選択肢オ):5つの競争要因の定義を問う問題
📌 共通点:用語の定義、影響要因、業界への影響など、「ファイブフォースを使いこなせるか?」を毎年のように問うています。
このように、出題テーマは多少の角度を変えて何度も繰り返されているのです。
だからこそ、過去問をやり込んで「見たことある!」という経験を増やすことが、短期合格への最短ルートなのです。
■ 実践手段:教材とツールの活用
● 書籍派:市販の過去問題集を使う
- コストを抑えたい人、本で勉強するのが得意な人におすすめ
- 書き込みや持ち運びに制限があるため、集中できる場所がある人向け
● デジタル派:スタディングを活用する
- 正誤や学習時間が自動で記録される
- スマホでスキマ時間にも解ける
- 解説をすぐに確認できるので復習効率が高い
● 応用派:ChatGPTを使って出題&解説
- 過去問を読み込ませて出題Botを作る
- わからない問題の理由をその都度聞ける
- ただし、解説の正確性には注意(公式解説と併用が安全)
✅ まとめ|1日でも早く、1問でも多く
1次試験までの残り3ヶ月。
大切なのは、インプット中心の学習を勇気をもってアウトプット中心に切り替え、特に過去問に集中することです。
過去問を中心にした戦略的な学習をすれば、60点の合格ラインは十分に狙えます。
完璧主義を手放し、「得点につながる勉強」だけに集中しましょう。
今この瞬間から、1問でも多く過去問を解き始めてください。